続・サイレントヴァイオリン考 [ヴァイオリン迷言(まよいごと)]
前回、サイレントヴァイオリンについてつらつらと思うところを書いてみましたが、サイレントヴァイオリンに対して興味をお持ちの方は、結構いらっしゃるようですね。
ところで、前回も書きましたが、私はサイレントヴァイオリンを弾くとき、(サイレントヴァイオリンには大変失礼なこととは思いますが)電源を入れないで弾いています。
そして、本来であればアコースティックを練習したいのだが防音対策としてサイレントヴァイオリンで練習するような場合、わざと電源を入れないで練習するのは1つの方法ではないかと考えています。
これは、私の乏しい経験と、書籍による知識を総合した判断なのですが、その骨子を一度記載してみようと思います。
まず第1に、サイレントヴァイオリンのイヤホンないしスピーカーから聞こえる音は、実際に弾いた弦の音を美しく補正している、という問題があります。音が美しく補正されるというのは、その時弾いている限りでは楽しいかもしれませんが、練習になるか、というと疑問ですよね。
更に、上記の問題点だけでなく、ヴァイオリンという楽器特有の問題があると思われます。それは、共鳴点の認識についての問題です。
上記のスズキメソードの副教材等によれば、ヴァイオリンの音色というのは、音程と密接に関わるものであって、要するに他の開放弦等と共鳴する正確な11点を押さえることができれば、必然的に音色は美しくなる、とされます。
なるほど、確かに、D線上の1P3指(G)の音は、G線の開放弦と共鳴して美しく響きます(同じD線上の1P2指(FないしFis)と比較すれば、その差は明らかです)。
このような例は、他にも、A線上の1P3指(D)とD線の開放弦、E線上の1P3指(A)とA線の開放弦、G線上の1P1指(A)とA線の開放弦、D線上の1P1指(E)とE線の開放弦、E線上の1P2指(G)とG線の開放弦、G線上の1P4指(D)とD線の開放弦、D線上の1P4指(A)とA線の開放弦、A線上の1P4指(E)とE線の開放弦などがあげられます。
で、この共鳴を最大に引き起こす1点を正確に押さえる、その1点を見つけ出すことが、音を良くするために大切だ、というのです。
そこで、サイレントヴァイオリンについて話を戻しますが、電源を入れて弾くと、音が美しく補正されることとの関係で、共鳴の1点を探しにくいように思うのです。むしろ、電源を入れず、弦そのものの響きを聴いた方が、共鳴の1点を探しやすいように思います。
ですので、サイレントヴァイオリンをアコースティックの代わりとして練習に用いる場合、電源を入れないで弾いた方が二重の意味でベターではないか・・・と私は思うのです。
「共鳴を最大に引き起こす一点」を押さえること・・・なるほど、と思うと共に、そういえばどこかで聞いたことがあるような気がするけれど、すっかり忘れていたことに気がつきました。
とても大切なことを思い出させていただきありがとうございます!
万が一、サイレントヴァイオリンで練習する事があったら、私もc-tailさんの真似をしてみます。
同じ消音でも楽器によって事情がだいぶ違いますね!
by Cecilia (2006-05-17 14:17)
長男が、買って見ようかなぁとさんざん迷って、そのままになっている「サイレントヴァイオリン」 あれから、どうしたかな...
ところで、リンク集に入れちゃいました!
http://blog.livedoor.jp/yanosukerink50/
by やっちゃん (2006-05-17 16:47)
Ceciliaさん、nice!&コメントありがとうございます。
そうなんですよ。同じサイレントでも、弦楽器のサイレントはサイレントピアノと大分事情が違うようです。そもそも完全にサイレントではないですしね・・・
by c-tail (2006-05-17 20:26)
やっちゃんさん、リンク集に入れていただいてありがとうございます。
バトンも見せていただきました。ピアノとヴァイオリンを両方練習していた時期があるなんて、羨ましいですよ~。
by c-tail (2006-05-17 20:28)
サイレントヴァイオリン、気になりつつ買っていません。買おうかなー・・・・悩むー(~_~)
by 聴診器をもったヴァイオリン弾き (2006-05-17 22:38)
聴診器をもったヴァイオリン弾きさん、nice!&コメントありがとうございます!
結構面白いですよ~。ただ、弓や松ヤニなどは要らないので、本体だけ格安で購入できれば良いのですがね・・・・
by c-tail (2006-05-18 12:35)